あなたのラボはどちらをお使いですか?
私の経歴で言えば、The有機合成的なところは、ガラス派でした。
そもそも、このTLCプレートの背面の材質には、
ガラスとアルミニウムがあります。
※他の材質があれば教えてください。
この材質にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、
実験室ならではの拘りが反映されやすいのです。
しかもよく使用するTLCだからこそ、大量にストックするため
どちらか一方を購入しているところが多いので
派閥が出現します。(笑)
今回もまた、そんなマイノリティな話をします。
この記事を読んで笑える人は、さすがエンジニアですね!!
と心からの私一人分ですが賞賛をお送りいたします。
アルミプレートについて
このアルミプレートのTLCを扱った人はご存知だと思いますが、
これ、カッターナイフで切ることが出来ます。
※はさみや、大量の書類を一度に切るペーパーカッターで切ることもできますが、
クオリティで言えばカッターナイフをお勧めします。
え?なんで、カッターで切れることが良いことになるのか?
逆に問います。ガラスは何で切りますか?
そう、ダイヤモンドのローラーが付いているガラス切りが必要なんです。
これ、TLCプレート(20x20cm角)専用のものになると10万円は下らなくて、
しかも、使用する度に刃が痛んでくるので替え刃のコストも痛いのです。
つまり、簡単にTLCプレート(20x20cm角)を必要な大きさへ切るには、
アルミプレートは簡単なんです。
しかし、このメリットの裏側としてデメリットがあります。
アルミって曲がりやすいですよね。
同じことが、このTLCプレートにも言えます。
だから、切ったら曲がらないように平らなまま保管することに
若干神経を使います。
その点ガラスは硬いので、曲がったりしません。
使用するときも、一定の厚みがあるので、少々雑に扱っても
アルミよりはプレートのクオリティは下がりません。
加えて他のアルミプレートの良いところは、安い!!
TLCプレートは消耗品なのでとにかく安いものがいいという
コスト重視のところはメリットなのかもです。
なんで、ガラス派がいるの?
ここまで記事を読むと、ガラスって硬いから専用のガラス切りが必要で、
プレート自体も高いし、アルミ製よりメリットを感じにくいと
思われる人もいるのではないでしょうか。
だがしかーし!!これらのデメリットやコストを割いてでも、
ガラスがいい!!というメリットがあるのです。
私も、このメリットがあるので、ガラス派です。
それは。。。
背面からでも分離したスポットを確認できる!!!
以上です。(笑)
これのどこが優れてるじゃい!と思われた方、
言葉足らずですみません。説明します。
背面から見えることによるメリット
ガラスなので透明です。したがって、シリカゲルの上で
分離したスポットたちを、表面のシリカの上からでも確認できるし、
裏面からでも確認できます。
TLCは通常、混合物をスポットして分離した後、
①UVライトに当ててスポットの場所を確認する
②呈色液につけて発色させる
この2つの動作を行います。
この時、シリカゲルは白色なので、そのベースの白色でスポット群が
見えづらいときがあります。そんなとき、背面のガラス方向から目視すると、
表面より明確に見えることがあり、2重で確認することができるのです。
この2重で確認できるということが重要すぎることや、
信頼性を高めることになるため、
ガラス派のTLCプレートを採用するラボは多いです。
そもそも・・・
研究をやっている分野だとよく出てくる言語に、
「再現性」「信頼性」といった、
「その結果、本当に信じてもいいの?」
ということに関連する言葉があります。
TLCで確認する操作はスポットを打ったりして、分離するまでに
最短でも5分程度はかかります。※展開する長さによる。
未知の反応で何が起きるか分からないものを確認するためのツールとして
TLCがあるわけですが、簡易的であるからこそ
現れる結果は信頼性が高いものを選びたい。
そんな感じで呈色液を使うところは、ガラス派がほとんどです。
ガラスだとランニングコストやUVしか使用しないから
オーバースペックだから使わないというところもあります。
したがって、これもTPOで使い分けたり、実験室のボスのこだわりで
アルミ、ガラス派が存在する訳です。
以上、です(/・ω・)/
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