キャピラリー 自作派 vs 購入派

01_好きな実験道具の話

まず、初めに…

キャピラリーって何?という疑問を持つ方がいると思うので、
そこはGoogle先生から飛んでWiki様のこの記事を読んで想像できると幸いです。

次に、キャピラリーって何に使うの?と思う方…
すいません。そこもGoogle先生から飛んでSigma-Aldrich様のこの記事にある
TLCについてふーんとご理解いただけますと幸いです。

つまり、簡単に言うと、どんな物質が含まれているか確認するために
TLCという簡易的な分離プレートにキャピラリーという道具を使って化合物をのせるのです。
サムネイルにあるほっそいガラスの毛細管です

化学の合成に関わったことがない人は、まず分からない、
化学合成界わいではマジョリティーだけど、
一般的に見るとすっごいマイノリティな記事が今回のテーマです。

もし、文系出身の方で、この記事が一発でご理解できる方は、
仕事とかですごく努力をされた方か、謎の粉を作りたい方なのかなと思います。

キャピラリーには自作派と購入派が存在する

はい。このキャピラリー、買うことが出来ます
買うことが出来るということは、
「これ作るの面倒くさい。買った方がましだ」という人たちが
少なからずいて、需要があります。

特に企業の研究所は買ってるところが多い気がします。
自作しているところもありますが、実験室でガスバーナーが使えないといった
環境要因のせいで購入しているというところは多いです。

しかも、ガラス器具界ではキャピラリーの値段は安い部類です。
そのための、人件費と時間コストを考えると
購入しているところが多い。。。

加えて、本当に大学でキャピラリーの作ることなく卒業した方は、
キャピラリーの作り方を知らないんですよね。
それ故に、自作キャピラリーの良さをまず知らない人もいるのが
実情なんです。

因みに私は、キャピラリーは自作派です。ここは譲れません。

なぜ、自作キャピラリーはイケているのか

あ。初めに、自作したキャピラリーがイケているという定義は、
私の独断と偏見です。

作キャピラリーは、パスツールの両手をで持ち、
真ん中付近をガスバーナーにあてて、
ガラス細工しているかの如くガラスが赤くなったら
両手を広げてガラスを伸ばすことでできます。

種のガラス細工です。ガラス細工ができる人がいれば、
こんなのは簡単な部類です。
赤くなったらひっぱるだけなので。

で、そんな自作キャピラリーがなぜいいのかというと、
①30㎝以上の長いキャピラリー
②しなやかなので、使用していても購入品とくらべて折れにくい
③毛細管を細くできるので、スポットが小さくなる

この3点がメリットです!!!
これで分かる方は、同業者の方ですか?(笑)

とね、これは好みになるんですが、市販のキャピラリーより、
自作キャピラリーのほうが、TLCの上にスポットするとき、
TLCプレートのシリカが削れにくい印象なんです。

スポットしたけど、その部分のシリカが削れていたら意味なしですからね。

から、繊細にスポットを打つわけですが。。。
私って面倒くさがりなので、そんなことに頭の神経使いたくないんです。

角市販で時短できても、実際の現場で使うとき、
ムキーー!とイライラしていたら、後々実験メンタルにも
響くんですよね。

いキャピラリーなら、途中折れても、またある程度の長さは保たれるので
使用できるので、繰り返し使えます。
スポットを打つとき、ちょっと力が入っても自作キャピラリーはしなるので、
折れにくいです。

えて、私は実験消耗品をケチケチ使うタイプなので、
一枚(1.5cm)に5スポットは打てないと、
私は実験下手くそなんじゃないかとか、
周りから、「ダセー!」と思われるんじゃないかとか、
自己肯定感が低くなります。(笑)

機合成していると、TLCは基礎中の基礎だからこそ、
大事なツールだったりするので、
その人が行ったTLCプレートのスポット群を見ると、
大体その人の実験の上手さが分かったりもします。

結論

■購入品キャピラリーのメリット&デメリット

  • ↑キャピラリー自体のコストが少額の金額のみで手に入る
  • ↑品質が一定
  • ↓毛細管内のφがそれなりにあるので、スポットが大きくなりやすい
  • ↓TLCプレートのシリカが削れやすい
  • ↓長さが15㎝程度と短い

■自作キャピラリーのメリット&デメリット

  • ↑長いキャピラリーの作成が可能
  • ↑何度折れても15㎝以上の長さを保てる回数が多い
  • ↑しなるので折れにくい
  • ↑毛細管のφを小さくできるので、スポットが小さくできる
  • ↓ガスバーナーの使用が可能でないと自作は不可
  • ↓各々によるキャピラリーの品質に差がある
  • ↓作業のRA(リスクアセスメント)が必要

つまり、その作業者の好みこだわりなので、
どちらもTPOに応じて使い分けているのが実態です。

以上、拝読頂きありがとうございます(/・ω・)/

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