合成におけるリスク回避のセンス

01_好きな実験道具の話

サムネイルにあるナスフラスコをあなたは、
どの材質の台座に載せますか?
①黒い合成ゴム製
②シリコン製
③コルク製


どれを選んでも間違いではないんですが、
私ことKNAKO-MOCHIとしては、
研究室に全てあって選べるのなら
②シリコン製一択なんですよね。

今回はそんな細かなことだけど、それを知っているか
知っていないかで、実験でのミスやリスクを回避できる
センスにつながるよ。そんな話です。

なぜ②シリコン製をすすめるのか

前の記事にロートアダプターのことを書いたんですが、
この合成ゴム製の台座は、オイルがフラスコについてたりすると
フラスコが傾くリスクがかなり高い
のですよ。

これにナスフラスコをのせて、ちょっと目を放したら
液体が自然に傾いてこぼれたショックときたら、
この台座嫌いだーとなる訳です。
※一応、ちゃんとナスフラスコは立たせることが出来ます。

まあ、その前にオイルバスから上げたフラスコなら、
ヘキサンでよくオイルをぬぐって台座に乗せるか、
クランプに挟むべきなんですけどね。

でも、人間なので、ちょっとフラスコのぬぐい方が甘いときが
ヒューマンエラーの確率論的には絶対発生して、
ミスをするんです。

そんなとき、このシリコン製の台座なら上の黒い合成ゴムよりは
安心かな
というのが、現場の人間の声だったりします。

ちょっと高いんですけどね。でもミスして、その作業がオワコン
になるよりずっといいかなって。

コルク製は?

これも、滑りやすいです。メリットは…安い!!!
すみません(;・∀・)それ以上のメリットが浮かびません(笑)

また、コルク製と合成ゴム製よりシリコン製が優れている点があります。
それは耐熱性です。
合成ゴム製やコルク製なら約150℃、
シリコンゴム製約250℃まで耐えれます。

コルク製については、引火点が耐熱温度かもしれませんが。

料理上手は合成上手

というわけで、ナスフラスコ置きという道具を見ても、現場の人の好みやこだわり、
使用する上で注意するが多々あります。
それは、好きな料理器具と似た感覚かもしれません。

加えて、合成が容量よくコンタミなく綺麗にできるかどうかは、
その人の実験台を見たら何となく予想できます


料理ができる人は、合間に片付けとか段取りがスムーズだったり、
使うものやレシピの手順で気を付けるところとかを
把握してたりしますよね?


それと同じことが、科学の実験の世界にも同じことが言えます

この実験は、これに注意しなければならない、
温度が上がりすぎると上手くいかない、
汚い実験器具で合成すると変なゴミが含まれていて
一から作り直しなどなど。。。

散らかった場所では、よく袖が引っかかって危ないし、
何がどこにあるのか探すことに時間を使って
効率が悪い。。。

そんなわけで、大学の研究室で先生の部屋は
面倒な書類の山で埋もれているパターンが多いですが、
実験台だけはものを引き出しや棚に締まってて
整頓されてるパターンもアカデミックあるあるです


整頓されている実験室が何よりのリスク回避で、
安全な実験活動につながるってやつです。


ただ、くれぐれも、大学の先生たちの机が書類の山で
乱雑であっても、それは科研費や論文の査読、
大学の先生としての提出書類や会議で研究とは関係ない
書類がきっと多いはず。。。
そっと温かく大変だなあと見守ってもらえるといいんじゃないかなと
私は思います。

というわけで、以上です(/・ω・)/

最近、海外の化学論文雑誌の表紙をデザインする機会を
母校の研究室のボスから頂き、最近投稿されました。
論文雑誌について次回の記事にできたらと思います。

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